早一年

キム・ドンリュルという存在がいるからこそ成り立っているWebであり,自分はあまり前に出ないようにしようという考えと,そして自分の言葉を表すことに苦手意識があるために,ずっと訳したものを載せていくという過程が続きました。

私自身,実は子供の頃からずっとクラシック音楽をやっていた人間で,その関係でベルリンに3年ほど住んでいました。

音楽は私にとって好き嫌いを超えたものであり,敢えて言ってみれば酸素のようなものかもしれません。

最初に韓国語に触れた記憶があるのは,子供の頃,まだ小学校に入ったか入らないか,そんな年齢だった気がします。(昔に母が何度か韓国旅行に行ってた為か)家にハングルの教本があるのを偶然見つけ,見様見真似でㄱとかㅇとかをノートに書き写していたのをおぼろげに覚えています。きっと当時は,それがなんなのかもよくわかってなかったでしょう笑

しかしそれは長く続かず,いつやめたかの記憶もありませんが,大人になってから不意にまた再開することになりました。特に「どうしても(韓国に関する)~がしたい」とか「~のファンだ」などの理由はなく,ドラマや歌に触れているうちにそれらの言葉を知りたくなった,というのが近いかもしれません。それは衝動でした。

言葉を訳すことに興味をもったのは,まさに歌を訳したいと思ったからでした。 韓国語を独学するうちにキム・ドンリュルの音楽と出会い,稀有な存在だと感じる一方で,ごく一部の歌しか知られていないという印象があり,それがもどかしいような,惜しいような気持ちがありました。

ファンの方でも,ファンじゃない方でも,誰もがいつでも訪れられて,歌詞を知ることも含め,キム・ドンリュルの音楽に浸れる場所を作れないだろうか。ふとそんなことを考え始めました。

そして思い立ってから約一年後の昨年8月,このサイトを始めるに至りました。

翻訳学に触れていく中で,

ヴァルター・ベンヤミンの言葉

真の翻訳は透明なものであって、原作を被い隠すことも、その光を遮ることもなく

『ベンヤミン・コレクション2 エッセイの思想』ちくま学芸文庫

その意味を考え始めました。

はじめは,透明な訳では歌の良さが伝わらないのではないかと考えました。微妙なニュアンスの違いをそのまま表したところで,見た人には理解されず,その曲の良さがわからないだろうと。かといって,原作をわかりやすい日本語に変換すれば,外国語の歌を聴く意義が少し失われるようにも感じられました。

透明な訳とは何か。

考えるうちに,韓国語を聞き取れる方が見ても違和感なく,そして原作のニュアンスをありのまま表した訳に一歩でも近づけるようにという路線にシフトし始めました。

ベンヤミンの云う “透明なもの” になるためにはやはり細部まで紐解いてこそであり,原作の意思を,私の解釈からではなく,ありのまま伝わるようにしたいというちょっと無謀(?)な試みに出ることにしました。

そのために,言葉を分解し構築しなおすという作業を行っており,慣用句の言葉も原作のまま表したりしています。

それは歌のことばゆえです。

書籍のように読んで理解することが目的ではなく,その歌が表していることや伝えたいことを,歌を聴いた人がありのまま感じられるようにしたいという――これは私のエゴですが(苦笑)――思いからです。

しかしこれはあくまでも一つの道程であり,私が訳したものが必ずしも正しいというわけではありません。近年,翻訳のもつ “創作性” が文学の世界で注目されつつあるようですが,確かに翻訳とは完璧な答えがない世界であり,訳す人によって違いが必ず出るものであり,私が訳したものは一つの提案にすぎないと考えています。

こんなことを書いてきましたが,始めたころは仕事と大学とWebの三足のわらじ(?)に苦戦し,そして翻訳がどういうものなのかも実際のところよくわからずに(今もわかってないかもしれない⁈),ただ闇雲にやっていたように思います。しかしやればやるほど,そして誰かに見られるということが,やはり向上に繋がっていくものだと実感しています。

また,いいね!してくださる方々がいらっしゃり,とても励みになるとともに,感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

ちなみにこの“いいね!ボタン”は、訳の良し悪しはもちろん,皆さんどんな曲が好きかちょっと気になって設置してみたものなので,お気軽に押していただけたら嬉しいです。

おわりに,

最近またコロナが猛威を振るっています。

気温が高い日も続いています。

皆さま,どうぞご自愛ください。

参鶏湯食べて,

しっかり休んで,

また参鶏湯食べて…

ここまでお読みくださり

ありがとうございます。

그리고

동률님…

노래를 짓는 그 마음을

존경하고 사랑합니다.

P.S.

始めた頃と現在でクオリティに差が出たため,リライトをしています。来年には全体のクオリティが安定するように,試行錯誤していきたいと思います。

tree

キム・ドンリュルという存在がいるからこそ成り立っているWebであり,自分はあまり前に出ないようにしようという考えと,そして自分の言葉を表すことに苦手意識があるために,ずっと訳したものを載せていくという過程が続きました。

私自身,実は子供の頃からずっとクラシック音楽をやっていた人間で,その関係でベルリンに3年ほど住んでいました。

音楽は私にとって好き嫌いを超えたものであり,敢えて言ってみれば酸素のようなものかもしれません。

最初に韓国語に触れた記憶があるのは,子供の頃,まだ小学校に入ったか入らないか,そんな年齢だった気がします。(昔に母が何度か韓国旅行に行ってた為か)家にハングルの教本があるのを偶然見つけ,見様見真似でㄱとかㅇとかをノートに書き写していたのをおぼろげに覚えています。きっと当時は,それがなんなのかもよくわかってなかったでしょう笑

しかしそれは長く続かず,いつやめたかの記憶もありませんが,大人になってから不意にまた再開することになりました。特に「どうしても(韓国に関する)~がしたい」とか「~のファンだ」などの理由はなく,ドラマや歌に触れているうちにそれらの言葉を知りたくなった,というのが近いかもしれません。それは衝動でした。

言葉を訳すことに興味をもったのは,まさに歌を訳したいと思ったからでした。 韓国語を独学するうちにキム・ドンリュルの音楽と出会い,稀有な存在だと感じる一方で,ごく一部の歌しか知られていないという印象があり,それがもどかしいような,惜しいような気持ちがありました。

ファンの方でも,ファンじゃない方でも,誰もがいつでも訪れられて,歌詞を知ることも含め,キム・ドンリュルの音楽に浸れる場所を作れないだろうか。ふとそんなことを考え始めました。

そして思い立ってから約一年後の昨年8月,このサイトを始めるに至りました。

翻訳学に触れていく中で,

ヴァルター・ベンヤミンの言葉

真の翻訳は透明なものであって、原作を被い隠すことも、その光を遮ることもなく

『ベンヤミン・コレクション2 エッセイの思想』ちくま学芸文庫

その意味を考え始めました。

はじめは,透明な訳では歌の良さが伝わらないのではないかと考えました。微妙なニュアンスの違いをそのまま表したところで,見た人には理解されず,その曲の良さがわからないだろうと。かといって,原作をわかりやすい日本語に変換すれば,外国語の歌を聴く意義が少し失われるようにも感じられました。

透明な訳とは何か。

考えるうちに,韓国語を聞き取れる方が見ても違和感なく,そして原作のニュアンスをありのまま表した訳に一歩でも近づけるようにという路線にシフトし始めました。

ベンヤミンの云う “透明なもの” になるためにはやはり細部まで紐解いてこそであり,原作の意思を,私の解釈からではなく,ありのまま伝わるようにしたいというちょっと無謀(?)な試みに出ることにしました。

そのために,言葉を分解し構築しなおすという作業を行っており,慣用句の言葉も原作のまま表したりしています。

それは歌のことばゆえです。

書籍のように読んで理解することが目的ではなく,その歌が表していることや伝えたいことを,歌を聴いた人がありのまま感じられるようにしたいという――これは私のエゴですが(苦笑)――思いからです。

しかしこれはあくまでも一つの道程であり,私が訳したものが必ずしも正しいというわけではありません。近年,翻訳のもつ “創作性” が文学の世界で注目されつつあるようですが,確かに翻訳とは完璧な答えがない世界であり,訳す人によって違いが必ず出るものであり,私が訳したものは一つの提案にすぎないと考えています。

こんなことを書いてきましたが,始めたころは仕事と大学とWebの三足のわらじ(?)に苦戦し,そして翻訳がどういうものなのかも実際のところよくわからずに(今もわかってないかもしれない⁈),ただ闇雲にやっていたように思います。しかしやればやるほど,そして誰かに見られるということが,やはり向上に繋がっていくものだと実感しています。

また,いいね!してくださる方々がいらっしゃり,とても励みになるとともに,感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

ちなみにこの“いいね!ボタン”は、訳の良し悪しはもちろん,皆さんどんな曲が好きかちょっと気になって設置してみたものなので,お気軽に押していただけたら嬉しいです。

おわりに,

最近またコロナが猛威を振るっています。

気温が高い日も続いています。

皆さま,どうぞご自愛ください。

参鶏湯食べて,

しっかり休んで,

また参鶏湯食べて…

ここまでお読みくださり

ありがとうございます。

그리고

률님…

노래를 짓는 그 마음을

존경하고 사랑합니다.

P.S.

始めた頃と現在でクオリティに差が出たため,リライトをしています。来年には全体のクオリティが安定するように,試行錯誤していきたいと思います。

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